首の前にある小さい蝶のような形をした、ホルモンを分泌する器官です。通常は触ってもわからないくらいですが、病気で大きくなってくると触知できるようになります。
食事より摂取したヨードを原料にして、T3およびT4という2つのホルモンが作られます。これらは、熱産生・基礎代謝亢進・心拍数増加・脳や骨の成長発達作用など生命活動に重要な働きを担っています。また脳の下垂体から分泌されるTSHは、甲状腺ホルモンの分泌を促す働きを担っています。
比較的若い女性に多く、頻度の高い疾患です。
典型的には、甲状腺が全体的に大きくなります(びまん性腫大)。
本来、細菌やウイルスなどの侵入を防ぐための免疫細胞が、自身の甲状腺に反応してしまって生じる自己免疫疾患である、橋本病とバセドウ病が代表的なものです。
甲状腺の一部が腫れる結節性腫大が多く、良性腫瘍と悪性腫瘍に分かれます。
甲状腺超音波検査、腫瘍マーカーが診断に有用であり、悪性の可能性が否定できない場合は、細胞診が必要になります。
(→甲状腺外科に紹介いたします)